映画 インプット道場

武士道シックスティーン

2019年6月28日

武士道シックスティーン

まばゆいばかりの16歳

武士道シックスティーンという、なんだかハレンチ気味のピンク色の文字に踊らされて思わず手に取ってしまったDVD。

内容はハレンチとは程遠いど真ん中の青春純情物語でした。

人気小説を原作に持つだけあって、キャラの作り込みにブレがない。

北乃きい演じる「早苗」は天真爛漫の明るさを持ち、楽しいことが大好きで人懐っこい性格。見ているだけで大人がちょっと恥ずかしさを感じるほど、シックスティーンそのもののウブさを持ち合わせています。

いかにも北乃きいらしい、まさにドンピシャリの配役です。

もう一方の主人公である成海璃子演じる「香織」は、剣道一筋に生きてきた男まさりの剣豪女子高生。剣の道を極めんと、早苗のような浮かれた花の女子高生とは真逆の生活を送っています。

例えば昼食時にはボロボロになるまで読み込んだ五輪書を片手に、山下清ばりにでっかいにぎりめしをかじる。食後は座禅を組んで精神統一。般若の絵柄の入った竹刀入れを持ち歩き、下校途中の小高い丘で奇声をあげて素振りする。

すごすぎる。こちらも妙にハマり役です。

香織が思いつめている”剣道”とは

まぁ言わば、交わるはずのなかった正反対の個性を持つ二人が、やがて真正面から衝突する運命になるのですが、そのきっかけは二人が中学3年の時の剣道大会。

実家が剣道道場であり、剣道の英才教育を受けてきた向かうところ敵なし香織が、剣道は遊び半分な雰囲気のまったく無名の選手である早苗の平凡な面で一本を取られることから物語は始まります。

同級生に負けたことは一度もない、という思いあがりを素人同然の選手に叩き伏せられた香織は、リベンジを誓い早苗が入学する高校を受験。ライバル早苗と同じ剣道部に入部します。

一方の早苗は香織のことなどまったく覚えておらず、ましてや香織を破る実力も持っていませんでした。

早苗憎しで果たし合いを求めるも、逃げてばかりの早苗では勝負にならず、ひどい肩透かしに意気消沈する香織。

しかし、今度はその怒りを周りの剣道部の先輩達にぶつけるようになります。

それもそのはず、厳格な剣道の師匠である父から、早苗からの勝利と剣道部の全国制覇を約束させられていたからでした。練習不足、実力不足をおぎなうには従来の練習では足りない。香織は先輩や顧問の先生に対しても高圧的な態度で強さを要求していきます。

彼女にとって勝つことこそが剣道を続ける意味だったからです。

早苗の”剣道”の在り方

一方の早苗は高校生活を楽しく満喫しつつ、なんとなく剣道も続けています。

剣の在り方も負けないことに重点を置く。そのため試合といってもその柔軟な足腰を使って逃げ回ってばかり。香織を破った奇跡の一打すら、勝つことを考えずに自然体で打ったとのこと。

苛立ちをぶちまける香織に対しても、友達であろうとする早苗。

やがて二人はお互いを認めるようになるも、返って自分に足りないものに気づかされ、ひいては剣道に打ち込む青春に疑問を感じる様に。

だれもが経験する青春の不器用な悩みに、それでも真正面から素直に立ち向かう決意を固めた二人は、お互いがライバルであることを認め合った時、物語の冒頭からにおわせていた巌流島の決闘を実現させることになるのです。

オジさん、なんだか恥ずかしい

とにかく、青臭い話だ。

「よくある」または「王道」の青春ストーリーと言えるでしょう。

入部するクラブが変わっただけで別の映画がもう一本取れる魔法のテンプレートがあるのでしょうか。

ライバル又は仲間との衝撃的な出会い。熱い友情と、ライバルとの死闘。基本敗北。一回「もうやめてやる」となって、上下・巧拙・優劣などある種の立場の逆転。対決。勝利そして別れ。なんだかこの2時間足らずで、ちょっと成長した気がする。という、あのパターン。

だが、それがいい。

北乃きいと成海璃子の対決シーンはなかなか見ものです。

本気で剣道を見せる気はないようだったが、それなりにいい声がでてるし、なかなかよかった。

かわいい女子が熱く頑張る姿を見ると、なんだか幸せな気持ちなるオヤジな年頃なのです。

本気でなにかにのめり込む、戦い抜く、というのは人目にもすがすがしい。

一度でも何かに真剣に取り組んだ経験があれば、彼女たちの言わば青くさい悩みにもどこかしら共感があります。

また彼女たちを取り巻く大人たちがなんだか暖かくてよい。

10年前なら主人公目線でしか思うところもなかったと思うが、なんかまっすぐにしか視界が開かれてない高校生に向ける親や教師の遠慮がちで見返りを求めない愛情に、しっかり心打たれたりする。

もう子供じゃないから手出しはできない。でも大人じゃないから、一人ではなにもかもが割り切れない。苛立ちは時に周りの人や自分を傷つける刃物となる。大人は少し離れた所からベクトルの大幅なずれに注意しながら、追い風と声援を送るしかない。

とにかくあきらめずに頑張って、と。

ラブロマンスがまったくないのはちとさびしいかなとは思いつつ、しっかり青春物語に胸キュンです。

 

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