映画 インプット道場

ガールズ・ステップ

2019年7月25日

ガールズ・ステップ

目次

「ガールズ・ステップ」はダンスがつなぐ青春ドラマ

石井杏奈 (E-girls)を中心とした、急造のダンス部5人の青春ドラマです。

映画では初主演となる石井杏奈がドンピシャリの配役で登場し、見事な身のこなしを見せています。

可愛い石井杏奈が、見ているうちにさらにどんどん可愛く見えてくる魔法がかかっているので注意。

わきを固めている女優もすばらしく、朝ドラ「あさが来た」であさの娘役だった小芝風花、子役時代からさまざまなテレビドラマ、映画に出演しカルピスウォーターのCMなどでも活躍している小野花梨、数々の映画やテレビドラマに出演し主演をはったこともある秋月三佳、子役時代はEテレの「シャキーン!」に出演し本作とは真逆の真面目な学生の役を「暗殺教室」でつとめるなどした上原実矩と、バラエティーに富んでいます。

単純にダンスって楽しいよね、というだけでなく、それぞれ抱えている悩み、問題があり、それらを一気に乗り越えてクライマックスに向かう感じは、見ていてとてもすがすがしく、「やっぱ高校生部活モノはいいよなぁー」と改めて思いました。

この類の映画ばかりみていますが、この作品はかなり好きですね。何度でも見たいです。

脚本は「ごくせん」、「1リットルの涙」などで著名な江頭美智留さん。演者もよかったと思いますが脚本が素晴らしいと思いました。

【ガールズ・ステップ】スピード感のある1幕

主人公あずさは、だれに対しても調子よく”合わせよう”としてしまう女子高生。ファーストシーンから教室までの流れで、なんとなく、気が弱くてまわりに気を使いすぎている感じが伝わります。

なかでも「主流派のメンバーから買い出しを次々と頼まれ、メモをとる」という表現がきいていると思いました。そして、この所作はのちのち、「部活の仲間の買い出しに行こうとメモを取り出してしまう」というテンドンになっています。友達との人間関係をメモで表すというテクニックですね。

話は戻って、あっというまにメンバーが教室に集まってきてどんなキャラクターなのかがわかるようになっています。その後、寄せ集めの5人がダンスを始める理由が説明されます。この辺はとても段取りが早くて、第1幕のスピード感といいますか、必要な事柄を端的に説明する素早さを感じますね。手際がいいです。

寄せ集めメンバーによるテキトーダンスですが、成功体験をへてダンスが楽しくなりダンス部を立ち上げることになる、までが一つ目の塊でしょうか。

【ガールズ・ステップ】ウソが暴露する2幕

第2幕前半は、いざこざ。主流派のチアリーダー部たちとのもめごとです。あずさは、主流派とぶつかりたくないために、”いい顔”をしようとし続け、ダンス部を裏切ってしまいます。

第2幕後半は、あずさが身を翻したことで休部状態となってしまったダンス部の再生の物語。ばらばらだった5人が一つにまとまるまでの流れで、個人がかかえていた問題が次々と露呈し、お互いをさらけだすことで5人の結束が固まります。このシーンは泣けました。

今までついていたウソ、強がりが、ぐるりと逆転して本心をさらけ出す。そこに感動があるようです。逆に言えば、ここにいたるまでの前半はウソをつきとおしていて、本心を隠していることになります。

これって、簡単なようで、実は難しいように感じました。5人それぞれのウソを暴露するシーンが必然でなくては面白くありません。同時にこれまでついてきたウソにも必然性があるべきでしょう。一人か二人ならまだしも、5人ですからね。

【ガールズ・ステップ】駆け抜けるような3幕

3幕は、クライマックスに向けて、またスピード感が増します。本気のダンスをずっと出し惜しみしてきて、ようやくここでダンスシーンが開放される。その期待感がどんどん高まります。

あずさと幼馴染の方恋の話、チアリーダー部との確執、コーチの挫折、と、ひとつひとつの問題が片付いて、いよいよすべての障害がクリアになります。

あとは本番のダンスをパーフェクトに踊るだけ。そして見事なダンスパフォーマンス。会場は熱狂に包まれます。

このシーンが爽快感たっぷりなんです。

いろんなことを乗り越えてきた、それぞれが抱えていた物語がすべてこの一瞬に結実しているように感じる、ダンスシーンに織り込まれる関係者たちのカット。いったいどんなト書きで表現されているのでしょうか。

踊る美少女たちは最高に見映えがいいです。このシーンまでは「モチーフがダンスじゃなくても通用するような物語だなー」と思っていましたが、ラストシーンを見てやっぱりこの画をとるための映画なんだな、と思いました。

正直、面白かった「ガールズ・ステップ」

女子たちが可愛いのは置いといて、ストーリーが面白くて、くいいるように観ました。

特に5人の事情がからまりあう2幕後半は見ごたえがあります。

個性的な”キャラ”がただの”出落ちのキャラ”どまりでなく、”乗り越えなくてはならない事情を抱えているキャラ”になっているところに触発を受けました。

まだまだ見習って習得すべきことはいっぱいあると思いますが、単純に面白い映画なので、もっと素直に鑑賞したい気持ちもあります。

 

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