映画 インプット道場

くちびるに歌を

2019年9月7日

くちびるに歌を

合唱経験者「くちびるに歌を」をかく語りき

私は合唱経験者なのですが、合唱を扱ったあまたある映画の中でもこの作品は大傑作だと思いました。

音楽に対する愛情というか、人間に対する愛情というか、あらゆるシーンに愛が染みていて、スタッフやキャストのみんなが思いを込めた優しい作品なんだなと感じます。

みんなで本気で合唱に取り組んだのでしょう。

合唱シーンは特にとても素晴らしくて、感動しきりです。

朝ドラ「わろてんか」ヒロインの葵わかなが生徒指揮者として出演していて、若かりしころの彼女の姿を見られるのもこの映画の特典でしょう。

指揮もうまいです。

自閉症の近親者「くちびるに歌を」をかく語りき

桑原サトルの兄、桑原アキオを演じる渡辺大知の怪演も見ごたえがあります。

朝ドラ「カーネーション」にも出演したことがある渡辺大知が、自閉症の役を見事に作りこんでいました。

私の近親者に自閉症スペクトラムのものが複数いますが、彼の演技を見て全然嫌な思いをしませんでした。

しかも、アキオのセリフともセリフじゃないともいえないような口走りが伏線になっているあたりがすごくうまくて、私はその手際の良さに感激しつつ、感動の涙をながしました。

アキオが通っている就労継続支援B型っぽい場所から漂ってくる人間愛にも心打たれます。

全体的にサトルの物語は、サトルの人の良さがすごく丁寧に描かれていて、涙なしには見られません。

「くちびるに歌を」は何事にもすごく丁寧

この映画から伝わってくるのは、脚本や演出における、あらゆる人への丁寧さです。

五島列島や島に住む人々に対するリスペクトが映画全体を美しいものにしていると思いました。

音楽や合唱、島で長く長く受け継がれてきたキリスト教、自閉症。

すべてのモノに対する愛があるから、この物語は胸を打つのだと、感じたのです。

なによりも主題歌「手紙 〜拝啓 十五の君へ〜」に込められた思いをしっかり咀嚼し、把握し、理解して、脚本と融合させている点が、「リトルマエストラ」の仕上がりとくらべてとても優秀だと思います。

「くちびるに歌を」に涙、涙、涙

分析しようにも、ずっと泣いていたので、脚本論的な分析はうまくできません。

ログラインは「ピアノが弾けなくなったピアニストが、島に臨時講師として帰ってきて、やがて生徒と打ち解けて苦しみを乗り越え、元の生活にもどる話」という感じなので、主人公は新垣結衣が演じる柏木ユリで間違いありません。

生徒が抱えている悩みや苦しみと柏木ユリが抱えている問題とが露呈するまでの前半戦が1幕、ピアノが弾けなくなった理由が明らかになり、それでも立ち向かわなくてはならない2幕、コンテストという目標と、いのちがけの出産が同時に切迫していく3幕。

1幕の中に2幕、3幕の伏線ががっちり入っていて、ユリのあれはあれのことだったのか! とか、あの歌がここで! とか、あのセリフはこういうことだったのか! という感じで、3幕は驚きに満ちていました。

あわただしい1幕にこれだけ伏線を塗り込めているなんて、すごすぎる。感動です。

とにかく、涙なしには見られない傑作中の傑作です。

2度3度見るべきだと感じましたので、繰り返して見ることで冷静な目で分析できるようになりたいと思います。

 


 

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