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YAWARA! 浦沢直樹

2019年6月28日

YAWARA!浦沢直樹

浦沢直樹の時代を飛び越えた名作 YAWARA!

古くは小学生の頃にアニメにハマリ、当時のオタク文化のはしりだったアニメイトなどにいっては主人公をデザインした「ラミカード」や下敷きなどを買って悦に入っていた私。

時は過ぎて、学生時代にばったり街角で出会ったYAWARA!の全巻セット。

貧乏暮らしのバイト学生には手痛い出費でしたが、それどころかバイトも勉強もできないくらい、寝る間も惜しんで全巻をむさぼり読んだ日々。

あの当時好きだった音楽。当時の方恋の相手。

たった一ページを開いただけで、いろんな思いが胸奥から湧き出して、しばらく時が止まったような気がしました。

それからは、通勤時間も、食事中も、お風呂以外のすべての時間にコミックを持ち込んで一気に全巻を読み通しました。

正直、また感動しました。しかも感動はなかなか収まりがつきませんでした。

古い漫画がなぜこれほど、私の心をつかんで離さないのか。

理由を考えてみました。

YAWARA!のおかげで部活モノが好きに

私が高校生部活モノを特に好きな理由のひとつにYAWARA!の影響があることは間違いないでしょう。

YAWARA!は高校生の部活に限らず、幼少から柔道に取り組み、高校、短大、そして就職してからも物語がつながっているのですが、部活モノの標準がそこにあるように思いました。

恋愛要素があり、厳しい訓練があり、ライバルとの闘争があり、それらのすべての焦点が収束するビッグイベントがあり。

部活モノの面白さはYAWARA!に教えてもらったといってもいいでしょう。

YAWARA!よりも松田記者視点に感情移入

YAWARA!は猪熊柔の物語ではありますが、松田さんの視点からのストーリーが秀逸で、私はよく「自分は松田さんなのかもしれない」と思いながら読んでいました。

松田さんのやさしさ、かっこよさ、男らしさのようなものにあこがれ、このような大人になりたいと思ったものです。

私には忘れられないシーンに、「松田さんが書いた記事を読んだ柔本人の耳に、紙面から歓声が聞こえた」というエピソードがあります。

私はこのエピソードに感銘をうけて、私自身が新聞記者となりました。

そして、「本気で書いた記事には必ず反響がある」、という先輩のご指導のままに、一つ一つの記事に魂を込めて向き合いました。

読んだ人の耳に取材時に聞いた音が聞こえるほどの臨場感を伝えようと努力したのです。(実話)

しかし振り返れば、松田さん以外にも風祭さんや、本阿弥さやか、伊東富士子にもそれぞれの人生があり、それぞれに決断や成長があります。

柔が感極まって泣いたとき、読者もちゃんと泣ける、そういう人間ドラマがきっちりと練りこまれていると思います。

YAWARA!は世界一強いのに柔道を好きじゃない矛盾

柔道世界一の腕前を持っているということと、普通の女子になりたいという思いが、柔が抱えている大きな矛盾です。

毎日のすさまじいトレーニングのたまものとして得ているホンモノの強さですが、本人は柔道を続ける意思も世界一になる意思もありません。

なぜなら柔道が嫌いだからです。

この物語からは、周りから期待されていることと自分の意志とが必ずしも一致しないことを知ることができます。

伊東富士子は、血のにじむほど努力したバレリーナを高身長を理由に断念せざるを得ませんでした。

しかし続けられるならバレエを選んだはずの伊東富士子も、やがて柔道で才能を開花させ、柔道を愛します。

そこまで強くない人たちがこんなにも柔道を好きなのに、世界一の腕前をもつ柔が柔道を好きになれないというモヤモヤ。

私たちはこのような矛盾を抱えている主人公をヤキモキしながら見守るしかありません。

さらに恋愛要素においてもこの矛盾がついてまわります。

柔道が強い柔が取材対象である松田さんを、柔は柔道しか見てくれていないと感じていて、矛盾が解消されるまで二人がくっつくことはありえないという設定です。

松田さんは柔の柔道のために奔走するのですが、柔道のために頑張れば頑張るほど、柔に嫌われてしまうという切ない仕組み。

こういうのが好きなんですよね。私。

YAWARA!は超絶かわいい

とかなんとか言ってますが、なによりもヒロインの柔がかわいいということに尽きるのかもしれません。

”女の子”らしさを満載に持っている柔は柔道がとんでもなく強いこと以外は、そのへんにいる女の子と変わりません。

そのかわいい柔に、いろんな表情をさせてくる浦沢直樹がにくいです。

私は、柔に恋をして、松田さんにあこがれて、今の様な大人になったのかもしれません。

そして、私が今、創作活動を行っているのも、少なからずこのYAWARA!の影響によるものなのでしょう。

原点にもどるつもりで、また再読したいと思います。

 

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