タイトル:傘シチュボ
🟢男1 🟠女1
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雨の音
🟢男「チェッ、結構降ってきちゃったな。ん?」
🟠女「あ、お疲れー。どしたの?まさか、傘忘れた?」
🟢男「すみません。俺、よく傘忘れるんすよね。あーあ」
🟠女「ボールは持ってるのに、傘は忘れたの?」
🟢男「なんか、苦手なんすよね、傘」
🟠女「それじゃ、駅までびしょ濡れになっちゃうじゃん」
🟠女「どうすんのよ、傘、入ってく?」
🟢男「いや、俺、濡れて帰ります」
🟠女「なんで?」
🟢男「いや、でも、あの」
🟠女「いいから傘持ちなよ」
🟢男「はい。でも」
🟠女「馬鹿じゃない。将来の10番を濡らして帰れるわけないでしょ」
🟢男「こんなこと、いいんすか?」
🟠女「何が?」
🟢男「だってほら、人に見られちゃうし」
🟠女「サッカー部のマネージャーが一年生を傘に入れて何が悪いのよ」
🟢男「だって、先輩、肩濡れちゃってますよ」
🟠女「私はいいのよ。それより自慢のストライカーを濡らしたくないの」
🟢男「ダメですよ。先輩を雨に濡らしたってみんなにバレたら、僕が大変ですって」
🟠女「なら、私の傘、小さいんだから、もうちょっと、こっちきて」
🟢男「はい」
🟠女「私がもし、風邪引いたら、どうする?ね、お見舞いくる?」
🟢男「そんな。僕、先輩たちにボコボコにされますよ」
🟠女「お見舞い来てよ。もしボコボコにされたら、私もお見舞い行くからさ」
🟢男「あ、もう、駅ついちゃいますね」
🟠女「そだね」
🟢男「ちょっとだけ、遠回りしませんか?」
🟠女「遠回り?本当に、風邪引いちゃうかもよ」
🟢男「でも、そしたらお見舞いに行けるかなって」
🟠女「うん。そだね。じゃあ、もうちょっとだけ、このまま」
🟢男「傘、苦手でよかったです」
🟠女「ウフフッ、本当だね」