タイトル:遮断機が上がる
男1 女1 3分
ホラー
カンカンカンカン!
🟢男 遮断機の音がけたたましい。
🟢男 今日は酒を飲みすぎた。
🟢男 足元がふらつく。
🟢男 少し僕は体を支えようとして遮断機を触った。
🟠女「こっちよ!」
🟢男 遮断機の向こう側から不意に女性の声がした。
🟢男 遮断機はふわりとしてあまりにも手応えがなかった。
🟢男 その瞬間、目の前を電車が通った。
🟢男 かなりの風圧で二、三歩下がった。
🟢男 危なかった。
🟢男 のかも知れなかった。
🟢男 あのまま、遮断機に体を預けていたら。
🟢男 急にゾッとした。
🟢男 そういえばさっき女性の声がした。
🟢男 あの声に助けられたのかも知れない。
🟢男 遮断機が上がると、線路の中央でうずくまっている女性がいた。
🟢男 「あの、さっきはありがとうございます」
🟢男 彼女は、満面の笑みで振り返った。
🟢男 「お陰で助かりました」
🟢男 すると彼女こう言って消えてしまった。
🟠女「ああ失敗したわ!声なんて、かけなければよかった!」